結局晩ご飯は23時過ぎました
- 2012.04.27 Friday
- 13:26
姉妹喧嘩である。
きっかけはなんだったのか知らないが、帰宅すると娘たちの雰囲気が非常に険悪なものとなっていた。
な、な、なんだお前たち。この狭い部屋の中になんで間仕切り作ってるんだ!
狭いリビングの真ん中にわざわざソファーを移動して、二人はそれぞれ部屋のすみっこに座り、背中を向け合って宿題か何かに勤しんでいる。
ちょ、邪魔だから片付けろよ!
私が文句を言ってもそこは反抗期。ふたりとも一言もない。
喧嘩したのか。どうせ大したことじゃないんだろ。何があったんだよ。
しつこく聞くと、上の娘がしぶしぶ口を開いた。
カレー。
は?
カレーで揉めた。
は?カレーで揉めた?意味分かんないぞ?
下の娘が口を挟んだ。
普通、カレーって言ったら豚じゃん!なんで鶏ももなんだよ!パサパサするじゃん!
上の娘も言い返す。
うっさい、デブ!お前がダイエットだなんだ言うからチキンにしたんじゃないか!
豚だってたいしてかわんないよ!大体私が買い物行くって言ったのに、なんで勝手に買ってきてるんだよ!
なるほどなるほど。お前らくだらないことで喧嘩してるなあ。
くだらない?
くだらない?
同時に矛先を向けてきたので、私は口をつぐんだ。
わかったよ、豚でいいよ豚で!豚食って豚になれ!
下の娘はむくれて、ひどいことを言いながらしばらくテーブルの上のカレールーを見つめていたが、
急に立ち上がって、財布を取ると
お姉!ちゃんと買い物しろよ!
と言い捨てて、外へ出ていった。
カレールー、肉、人参、じゃがいも、なぜか我家の定番エリンギ。
レジ袋の中の物をなんとなく見ていると、ほどなく下の娘が帰ってきた。
ごっそりと玉ねぎを詰め込んだレジ袋を台所にどすんと置くと、
カレー、作る。
下の娘が宣言した。
は?俺が作るから別にいいぞ。おまえは宿題やってろよ。
私が言うと、下の娘は何故か姉のほうを睨みつけながら、
お父さんは今日はいい。私が作る。
まあ、ありがたい話なので、私は自室に行き、着替えて本などを読むことにした。
…めてよ
リビングから上の娘の声がかすかに聞こえた。
もう、わかったからやめてよ!
何事かと思い自室のドアをあけると、狭い我が家が玉ねぎの臭いで満たされていた。
台所へ向かうと、上の娘の声がまたした。
わかったよ!もう買い物はあんたに任せるから玉ねぎやめようよ!
ラーメンどんぶり三個に山盛りの玉ねぎのみじん切り。
さらに、まだ3個の玉ねぎの皮を剥きながら下の娘がにやにやしながら言った。
カレーにはね、たっぷり飴色に炒めた玉ねぎをいれると美味しいってお父さんが言ってたでしょう?野菜室にも残ってたの気付かなかったけど、さらに増量できて良かったね。
どこから引っ張りだしてきたのか、水泳教室に通ってた時のゴーグルをつけて、下の娘はにやにやしながら、さらに玉ねぎを刻み始めた。
上の娘は窓をあけることには考えが回らないらしい。おろおろしながらしみる眼を押さえて、下の娘に懇願するばかり。
ま、カレーが美味しくなる分には良いかとも思い、私は自室にこもって再び読書に勤しむことにした。
(実話)
